このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

もうひとつの防衛方法

 

日本は防衛費を2023年度から27年度までの5年間の累計額で17兆円増やす。かなりの額を増加してアメリカから最新のミサイルなどを購入する予定。こうした防衛力の強化は、中国や北朝鮮の防衛力強化につながり、かつてのアメリカとソ連のような軍備増額競争につながる。

 

隣国台湾は、中国から武力に訴えても中国に併合すると習近平国家主席が声明を出すほどなのに戦争には至っていない。アメリカが強力に台湾を擁護しているからで、日本も例外ではない。台湾は、世界最大の半導体製造国で、世界最先端の半導体を製造しているからこそ、大国は欲しがる。

 

台湾も、自国の半導体産業が最大の防衛力になっていることをよく理解している。戦争になり台湾の街や工場を破壊してしまえば、せっかくの財産がなくなる。街や工場を破壊せず、工場労働者も技術者も丸抱えで自国に併合したいのが本音。それほど、最先端技術は魅力的だということ。

 

台湾は中国に対抗できるだけの軍備は揃えられないことをよく知っている。台湾をアメリカが守ってくれる唯一の魅力は、世界の最先端をいく半導体生産国だということ。だからこそ、国家を挙げて半導体産業の育成に取り組んでいる。技術力こそ最大の防衛力になることを利用して防衛している。

 

これまで日本の製品は世界一で、武器製造になくてはならないものだった。アメリカは、その魅力があるからこそ安全保障条約を更新してきた。日本兵に殺された祖父や父を持つ米兵が、自身の憎しみを乗り越えて日本を守るのは、その価値があるから。

 

その魅力がなくなれば日本のためにアメリカが防衛する必要はない。技術力では製造装置などにまだ魅力が残っているし、地理的には中国やロシアの防衛地点にある。しかし、宇宙が戦争に利用されるようになると地理的魅力はなくなる。

 

日本はアメリカ兵が死んでも防衛する魅力ある国だと思わせるには、日本が技術力で世界一になり続ける必要がある。そのために防衛費の増額分を国家戦力として教育や研究開発、ベンチャー企業への投資に当てると発表すれば日本国内だけでなく世界も驚くだろう。

 

« »