戦争とお金
戦争を引き起こすのは政治家で、彼らは苦渋の選択だと説明するが戦場に行くことはない。戦場で戦うのは、国のためだと疑うことのない市井の人々。敵国を攻撃して、敵国の人々を殺し、破壊し尽くす。破壊行為をする兵士の心はズタズタになりPTSDを少なからず発症する。
破壊された敵国の人々も街を破壊されるばかりでなく心も破壊されて憎しみや悲しみに包まれる。戦争当事国の双方にとって何も得るものがないというのが戦争だが、権謀術数にたけた政治家は領土拡大や自分たちの優位性を証明できたことを喜ぶ。戦死した兵士には勲章を与えて称える。
戦争は破壊行為でしかないが、そのために莫大な戦費が費やされる。その費用を平和利用すればどれほど有効かわからない。政治家や権力を握った人や軍事産業のトップは、戦争が大好きだし、市井の人々が愛国心を煽れば何も考えないで敵国を憎み、戦争も辞さないと思えるように教育する。
戦争経済学はないが、戦争ほど儲かる商売はない。アメリカが世界一の経済大国になれたのも第1次世界大戦で大量の物資をヨーロッパの国が買ってくれたから。日本が戦後復興を遂げたのも朝鮮特需があったから。赤穂浪士が討ち入りできたのもお金があったからに他ならない。
まじめに愛国心を持って戦場に赴き死を厭わない人がいるかぎり軍需産業で儲ける人は笑いが止まらない。戦争を引き起こすためには政治家やマスコミを煽り、時には資金を提供してはばからない。彼らにすれば広告宣伝費に過ぎないし、それで戦争を起こしてもらえばぼろ儲けになる。