自分の身は自分で守ってください
中東のホルムズ海峡で日本のタンカーが攻撃され、アメリカから自国のタンカーは自国で防衛してくださいと訴えている。アメリカは日本の防衛も日本人で行ってほしいと言っている。その理由は、アメリカが攻撃されても日本は守ってくれないから不公平だというもの。さて、今の憲法でそんなことは不可能だがどうしたものか?
戦後の日本では復興重視で防衛に関してはアメリカ駐留軍に一任していた。アメリカは日本が再軍備することを恐れて平和憲法を策定したが朝鮮戦争が勃発すると日本に再軍備を求めている。このとき、内閣総理大臣吉田茂はアメリカ主導で策定した平和憲法を理由に断っている。彼もまた大日本帝国の軍部に翻弄された苦い経験を持っていた。
真珠湾攻撃のシナリヲを書き成功させた山本五十六は、軍備は外交の手段とすべきであって戦争を遂行するための手段にしてはならないと言っている。つまり、脅しに使ってほしいということだが、実際には最強の軍備を擁すると使いたくなるのも道理。驚きの航空機を使った戦略で大戦果を挙げるが戦争になれば双方ともに悲惨。
暴力には暴力でと訴えたマルコム・X や暴力を振るわれても非暴力を貫いたガンジーやキング牧師はどちらも暗殺されている。どちらにころがっても反対する人がいて、彼らの機嫌を損ねると暗殺されることもあり得る。さて、日本もアメリカを守れと言われたら僕たち日本人はどちらに行くのだろう。
国際紛争を引き起こすのはいつも政治家で、自国にも誇りがあると国民をあおり、平和的な解決を、紛争を匂わせながらしている。どちらにも言い分があるとプライドをかけているためいつまでも長引き、友好的な付き合いをしている人をも引き離してしまう。こうして軍事衝突を引き起こせば政治家はやむを得ぬと言うのはこれまでの歴史と同じ。
いったん、戦争となれば愛国心をあおり、徹底的に戦うのが常だが軍需産業はここぞとばかりに儲けるのも事実。紛争当事国の双方に武器や戦備品を売ることで儲けは倍増。死者が増えるほど必死になるので儲けはうなぎのぼり。笑いが止まらないのは、軍需産業とワイロを受け取っている政治家や軍人。