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石油の一滴は血の一滴

 

 

米国は、昭和14年(19397月に日本政府に対して「日米通商航海条約」の破棄を通告します。その後、石油、鉄をはじめとする重要物資や特殊機械などの輸出許可制を実施しています。80%以上の石油を米国に頼っていた日本は、対米戦争やむなしという空気に包まれていくのです。

 

アメリカは中国からの日本軍撤兵と三国同盟の有名無実化を求めましたが、明治維新以降戦争に勝利して勝ち得た領土を放棄するのはできませんでした。「窮鼠猫を噛む」追い詰められた日本は、大国アメリカへの戦争をやらざるを得ないと判断します。国民の多くは敗戦したことがないので勝利を疑いませんでした。

 

軍部の独裁的な国家体制、植民地時代に乗り遅れて参加したが欧米からは嫌われていた日本。三国同盟の同盟国のヒットラーですら日本がアメリカと戦争しても勝ち目はないと思っていた。戦争によって景気が良くなり、日露戦争のように不可能を可能にする神の国だと信じていた国民。

 

日本に近い米軍基地がある真珠湾攻撃によって反撃を遅らせ、石油などの資源を求めての東南アジアへの進軍を急ぐ日本の軍部。開戦当初半年間の快進撃に酔いしれる国民。資源を手にしても日本への輸送ルートを絶たれていく日本。兵糧攻めに苦しみ特攻に活路を見出そうとする軍部。

 

今、世界中を騒がせているどこかの国に似ていると思うのは僕だけではないだろう。情報操作されている国民には自国の勝利に疑いはない。違うのは、戦争で手に入れた領土の返還がないだけ。経済封鎖をするということは、こうしたリスクを考慮しておかねばならない。

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