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便利さを追いかけて

昭和30年代、街の商店街はどこもにぎわって活気にあふれていた。お買い物は主婦の仕事で買い物かごを持って野菜やお魚の専門店を訪ねて品定めして商店主のアドバイスを聞きながら購入していた。お魚はその場でさばいてもらったり、焼いてもらったりしていた。ただ、たくさんお買い物ができないのでその日の分しか買えなかった。

 

昭和40年代、街にスーパーマーケット店ができて、専門店に行かなくてもそのお店だけで食品や洋品も買えるようになった。しかも、安く販売されていた。主婦の人は買い物かごを持ってスーパーでお買い物をするようになる。買い物かごの代わりにカートが現れて、それを使いながらお買い物ができるようになったがその日の分しか買えなかった。

 

昭和50年代、家に冷蔵庫が入るようになり、保存ができるようになると数日分のお買い物ができるようになる。買い物かごでは運べないのでスーパーマーケットは郊外に出店するようになり駐車場を整備した。消費者は大量にお買い物ができるようになった。冷凍食品も豊富になり人々の生活は益々便利になった。

 

昭和60年代から平成になると、スーパーマーケットは益々巨大化し、ひとつの建物の中に商店街を作るようになった。集客力のあるテナントを誘致して、巨大モールに人々は殺到するようになった。そこではお買い物だけでなく映画館などの娯楽施設なども入居するようになり、一日中遊べる楽しい場所を提供するようになった。

 

令和の時代になると、パソコンやスマートフォンを使って移動することもなく24時間、好きな時間にお買い物ができるようになった。インターネット販売では販売員や店舗を持つ必要がなく価格をさらに安くすることができるようになった。消費者は、安さと便利さに魅力を感じてモールでは商品を見るだけになっていった。

 

今や、お買い物は自宅で済ませて商品は指定した場所と時間に届くようになったし、お買い物の好みまで知っているネット業者が、この商品はと推薦してくれるしセールも店舗ではやっていなくてもネットを通じて個別に行ってくれる。返品交換も自由にできるようになり、お買い物は益々便利になっている。

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