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企業競争がデフレを長引かせる

 

昭和の時代、弁当は仕出し屋に頼むことがほとんどだったが、お弁当に特化したお店ができて1食480円程度で販売し始めると仕出し屋は徐々にお弁当業から撤退していった。その後、コンビニエンスストアでお弁当の販売が始まると1食380円程度のお弁当が売れるようになった。

 

その後、食品スーパーが食材のロスをなくすためにお弁当を販売し始める。1食280円程度の弁当は飛ぶように売れるようになった。さらに、ディスカウントスーパーが現れて1食180円で販売するようになるとこれまでのお弁当は売れなくなっていく。消費者はさらに安いものに飛びつく。

 

食材を国産に限定して旬の食材でお弁当を作っていた仕出し屋、海外の食材を加工調理して品質管理していたコンビニエンスストアやお弁当専門店、賞味期限が近い国産野菜や国内外のお肉を加工調理してお弁当を作っていた食品スーパー、さらに、海外の安い食材を加工調理してお弁当を作るディスカウントスーパー。

 

価格を安くするためにあらゆる合法的な手段を使っているが、人件費もどうようにあらゆる手を使って最低賃金に抑えているからこそできる価格。こうしたたゆまぬ努力があらゆる場所で行われて日本企業は国内の競争に疲弊して人件費を上げられない状況を作っていく。安易な値上げは廃業に結び付く。

 

同じ商品であれば安いものを消費者は好む。消費期限が近いものは安くなるし、国産でも規格外のものは安い、海外産ならもっと安い。ただし、品質に関しては怪しいものも多くある。しかし、僕たちは国が認可した食材なら大丈夫だろうと思い、こんなに大きなお店が作っているのだから安心だろうと思い込んでいる。

 

どうして、こんな価格で販売できるのだろうかと調べてみると、ちょっと買うのをためらうこともある。少しぐらい高くても国産で安心できる食材の方が健康には良いに決まっている。でも安月給ならちょっと健康に悪くても安いものを買う。こうした状況が今の日本、贅沢は敵だという考えこそ日本がデフレを長引かせている原因かもしれない。

 

 

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