木を見て森を見ず
物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うことの諺です。会社は大きくなると、いろいろな業務に就く人がいます。それぞれが自分の業務に頑張ってくださっていますが、自分の業務だけを観て仕事をしていると、会社全体のこと、自分が働く部署のことなどを忘れた価値観から感情的になりがちです。
会社の業績が落ちてきて生産ラインを止めて、ラインの作業員を営業に移動させたとき、作業員から「自分たちは、頑張って働いているのに移動になった。会社は自分たちの働き方が気に入らないのか!」と感情的になっている方がいます。ラインの作業員に何の責任もありませんが売れないからです。
このとき、作業員が感情的なのでラインを動かし続けると、売れない商品を生産しているので余剰在庫が積み上がり赤字が膨らみます。技術部門の社員や経理や総務部門の社員を営業にまわしても、こうした不満は聞こえてきます。そのストレスに耐えうる社長でなければ経営はできません。
多店舗運営では、一店舗の業績が良くなっても店舗全体の業績が改善されなければ良い評価は得られません。単月の業績がよくても年間の業績が悪ければ評価されないのと同じことです。自分が置かれている立場で物事を判断しがちですが、自分がやっていることが会社にどのように貢献できているのかが大切です。