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わかるとできる物語 第3章 3 組織が縦割りになる

2014-10-26 21.22.39

直営事業部制度にすると、直営事業部の部長は自分の思い通りの教室運営がしたくなる。上司の報告や指示を仰ぐことなく運営するためには、上司からのメールなどをシャットダウンする必要がある。システム部長にお願いして、社内のメールは一切直営スタッフには届かないようにする。システム部長は組織がおかしくなるとはまったく思っていない。

 

直営スタッフにも社長など、部署が違う事業部には一切相談をしてはならないと指示を出す。研修会にはできるだけ出席しないようにし、会議も避けるようになり、教材すら稟議を通さないで勝手に製作するようになる。加盟校様と違うテキストや課題集を使うようになり、映像講義にも加盟校様を無視した注文が入ってくるようになる。

 

事業部を任された部長は、社内トップである社長の指示を仰ぎ、忠実にその指示を守ることでチームワークを保ち、事業部よりも会社の発展に寄与する使命があるが、それを忘れた行動に出ていく。社内に見えない壁ができ、セクショナリズムが横行し、社内で報告、連絡、相談が部長によって遮断された組織になっていた。

 

地位や名誉や金銭には魔力がある。役職の魔力にとりつかれると、上から目線で人を使うようになり、感情的になり、横柄になっていく。すぐに降格処分にしようとしたが、他の管理職が説得するというので3年間、僕は我慢し、二度胃に穴が空き、血圧は150を超え、体重はどんどん増えていったが、担当部長に反省の色は全く見えなかったので解雇せざるを得なかった。

 

僕は直営事業部で、こうしたことを二度経験し、事業部制度を廃止して、チームとしての責任感のない上司は早期に降格処分にしなければ会社が疲弊するだけだと悟った。そのためには、どんなに忙しかろうとも社長は、すべての社員に直接目を通す必要があり、特に中小零細企業の経営者は現場から離れて仕事を行うものではないことを知った。

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