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お金の魔力

 

貧乏な時はつつましい生活をしていたのに、お金に余裕が出てくると、これまで我慢していたものを買うようになる。大型テレビを買えば子供たちは喜び、少し高額な車を買えばお父さんは嬉しくなる。広い賃貸に引っ越せばお母さんは喜ぶ。

 

安い洋服ばかり買っていたので、ブランドの洋服も買うようになる。大衆食堂から高級レストランに変わる。高級車に乗り換える。高額なマンションを思い切って購入するようになる。そうなると、友人知人や親せきを招待して自慢するようになる。

 

頑張ってきた甲斐があったと喜び、稼いだお金をつぎ込んで高級志向におちいる。しかし、そうした贅沢な暮らしも20年と持たず収入は減少していくようになるが、身についた贅沢は簡単には変えられない。カードローンを借りるようになる。

 

ローンの返済のために別のカードローンを申し込むようになる。自転車操業は長く続かず、破綻する。そうして周りの人もやっと気が付き、遠ざかっていく。マンションも売り払い、自己破産するが家族はバラバラになっている。

 

安アパートに一人暮らしになり後悔する。あのとき、贅沢せずにコツコツ貯めていれば、こんな目にあわないで済んだのに…。慎ましい生活をしていれば、家族はバラバラにならずに済んだのに。自慢していた自分が悔やまれてならないようになる。

 

仕事で得た高収入もいつまでも続くわけではない。収入に応じて贅沢していれば貯金はできず、あれが欲しい、これも欲しいと指をくわえるだけの生活。でも、その方が幸せだったとあのとき、気が付くのだろうか?

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