田舎暮らしにあこがれて
都会に住んでいれば田舎暮らしにあこがれを抱く人は多くいる。僕が住んでいるところも田舎だが暮らしやすい。近くの駅は無人、電車は1時間に数本だが、30分の徒歩圏内にスーパーが3つ、産直市場が2つ、高速道路の乗り口もある。身体を鍛えるにはちょうど良い距離間。
ただ、これが徒歩1時間以上かかるとなると食材のお買い物には車が必要になる。辺鄙な田舎だと車は生活の必需品になり、ひとり暮らしのご老人にはかなり辛い日々となる。病院に行くにも車での移動になり、視力が落ち、間接痛に悩まされるようになれば介護も必要になる。
僕が暮らしている町の山や海の方には別荘として開発された所があり、今では誰も住んでいない雑草だらけの別荘地帯になっている。田舎暮らしは健康で元気なうちでしか暮らせない。老後をのんびり暮らすなら、徒歩圏内にスーパーやクリニックがある便利な場所がいちばんだと思う。
別荘を購入した人は、ある程度楽しめば売却すればよいと考えていただろうが、今ではどんなに安くしても買い手がつかない。何しろ、坂道は驚くほど急斜面、私道なので狭く穴ぼこだらけ、水道や電気などの設備も老朽化しているので修繕が必要。中古住宅はほぼ朽ち果てているので建て替えになる。
少子高齢化の日本で、転売可能な不動産を考慮すれば、都会で徒歩5分以内に限定すべきだろう。それ以外だと、賃貸暮らしにする方が資産を守ることができる。老齢になり、入院や介護施設に入居するようになれば、田舎の一軒家を売却して資金を工面しなければならないが、思いどおりにはいかないのが現実。