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所有から利用へ

 

昔は自宅や自家用車を持っていることがステータス(社会的な地位が高いと思っていただける)だった。今では、持ち家や自家用車を持っていることはステータスではなくなった。借家やレンタカーであることも何ら引け目を感じることはなくなった。

 

家など、結婚したての頃は小さな家でもよく、子供がいるときは広く大きな家、子供が独立して出て行けば、また小さな家が住みやすくなる。車も同じことで、こちらは10年ほどのサイクルで買い換えるので不便さはない。

 

昔は、一軒家を購入したサラリーマンが、自宅を同僚や先輩社員を招いて披露するのが自慢だった。招かれた人は、自分もいつかは自宅が欲しいと思ったものだ。新車も同じように排気量が多い車ほど憧れた。「いつかはクラウン」という宣伝文句もあった。

 

少子高齢化の社会になり、不動産は値下がりしだし、購入するより賃貸の方が得する時代になり、平均年収は伸びるどころか減少し、スマホなど通信費が高くて若者は車を買えない。安月給の若者はスキーに行くのも映画を見るのもブランド品を買うのも控えがちになる。

 

スキーに行くときもウエアー、手袋からスキー板、ブーツに至るまで買い揃えて行ったものだ。使う回数が減った今では、私服のままスキー場に行ってすべてレンタルして遊ぶ時代になった。サーフィンすらウエットスーツとサーフボードをレンタルして遊ぶ時代。

 

別荘やマンションを所有している人もレンタルに出して使っていただくことで収入を得る時代になった。レンタル自転車も当たり前になったし、今後は、レンタル店舗も出てくるだろう。レストランや販売店舗を23日やってみたい人にはうってつけ。

 

借家、レンタカー、レンタルスキー、貸会議室、貸しオフィス、貸店舗、貸し倉庫、貸しパソコン、貸し家電、貸し楽器、貸し家具、貸しバーベキューセット、貸し洋服…狭い部屋で暮らす日本では、利用を目的にするビジネスは今後ますます繁盛するだろう。

 

貸主と借主のマッチングを支えるのは所有している個人や会社と利用したい個人や会社を結びつけるスマートフォンのアプリを運用している企業になる。所有を目的とした販売店舗は、こうした流れの中でレンタルを目的とした販路も拡大させていくだろう。

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