食の安全
世界保健機関(WHO)によると世界では年間6億人が汚染された食品で病気になっており、食品メーカーなど大手企業が自社内で食の安全を徹底しても、途上国の取引先の食品管理が不十分なために食中毒事件などを起こす例が多い。
発展途上国の中小・零細企業や農家に衛生管理を徹底するための研修を行い、途上国から安全な原料などを調達しやすくする努力をしている。ただし、法律の範囲内ということで、殺菌剤や酸化防腐剤などを使っての話。
加工食品や食材の貿易などでは禁止されている輸入する国内で禁止されている農薬などの残留物の検査や食中毒の検査は厳しいが、法律の範囲内での添加物はいくら使ってもよい。そうしなければ遠くから運んでくる食材は腐ってしまう。
健康を気にするなら、食材は地元で採れたものに限る。お魚や野菜などは産直市場で購入して、自分で調理するのがいちばん健康的な食事になる。加工食品や海外からの食材は長期保存されているので何か処理されていると考えるべきだろう。
21世紀は人類史上初めての飽食の時代で、いつでも何でも食べられるようになった。僕は昭和28年(1953年)生まれだが、当時は、食料品店は夕方閉店し、日曜祭日は休みだった。三度の食事がすべてで冷蔵庫はなかった。新鮮な食材を調理してすぐに食べるしか方法はなかったが健康的。
飽食の時代になり、これまでなかった病気が多く出てくる。糖尿病や癌で死ぬ人も少なかった。アトピー性皮膚炎など聞いたこともなかった。生活習慣病は飽食の時代になってから。加工食品が生活をより豊かにしてくれたが、健康にはよくないと疑われる時代になった。