不動産は資産だった
僕が住宅メーカーにいた頃、戸建てやマンションは借金してでも購入するのがベストの選択だった。何しろ、毎年不動産は値上がりするし、もっとも信用度の高い銀行の担保になる。今、アップアップの返済でも昇給によって5年もすればらくらく返済に変わると営業トークするのが常識の時代だった。
都会の賃貸住宅で暮らしていれば家賃は更新するたびに値上がりするが、不動産購入の返済は変わらない。日本中で乱開発が行われ、狭い道路に下水施設もなく、ただ、やみくもに2件間口の狭い建売を販売していたが、飛ぶように売れた時代だった。中古住宅になって販売するのも簡単だった。
バブルが崩壊してから信じられないほど不動産価格は下落した。住宅ローンの金利が5%程度から8.9%まで上がり同じように毎月返済しても未払い利息が膨らむようになり、破綻する人が続出しました。需給バランスが崩れて不動産価格は下落に転じます。日銀が金利を上げれば同じようなことが起こります。
欧米や中国ではすでに住宅バブルは崩壊し始めており下落に転じています。空き家が多い日本では低金利で、今でも不動産人気は高まりを維持していますが、来年、物価高や金利の上昇になれば財布のひもは固くなり不動産購入も控えるかもしれません。世界中で景気後退が始まっており、それに備え現金で所有するのがいちばんだと思います。
中古の戸建てでは、道路が狭く車が対向できないところも見かけます。築30年以上経っている木造住宅では基礎が腐ってリフォームできない物件も見かけます。築30年以上の中古マンションでは居住者の高齢化が進み、これからの修繕が期待できなく、居住者がいなくて相続放棄されている部屋も見かけるので転売できなさそうです。