不動産がお荷物になる
昔は、不動産を持っているというだけでうらやましいといわれたものだ。僕の知りあいは昔栄えたちいさな町に5件の家を持っている。街中で、それだけの不動産を持っていれば、さぞかしお金持ちだろうと思うが、実際は貧乏で家賃65,000円のアパート暮らし。
家は、古くて床が腐っているし雨漏りがひどいし水洗トイレでもないので使い物にならない。不動産屋に売却するからとお願いすると、宅地開発している買い手の方がまとめて1000万円で買い取っても良いが、更地にしたいので1件当たり200万円の撤去費用を負担して欲しいと言ってきた。結局、不動産を売っても一銭のお金も入ってこない。
また、田舎のマンションを所有している知り合いもローンの借り換えをしたが、手数料が数十万円もかかっている。借り換えれば200万円ほどお得になるという銀行員の話に乗ったらしいが、結局150万円ほどの得になっただけ。それも金利が変動すればどうなるかわからない。不動産など購入しなければよかったと嘆いている。
田舎の新築の戸建てを購入した知り合いも、仕事で移動になり数年間空き家のままになっていた。やっと自宅に住めるようになったが、それも数年間で、また移動になり今度は、単身赴任で移動先に行った。そこで別の彼女ができて離婚することになり、家のローンを誰が払うかでもめている。
また、新築一戸建てを購入した友達も、お隣さんが口うるさい方で車の止め方や掃除の仕方で文句を言っているし、早朝から騒音、我慢しきれないほどの悪臭・・・嫌がらせに嘆いているが警察は取り合ってくれない。どうして、購入する前に近隣の方々を調べておかなかったのかと悔やんでいるし、今売ればローンの方が多くあり借金だけが残る状態。
少子高齢化、地震災害の心配も増えている現在では、不動産の所有はかなりリスクのある行為。貯金で現金を所有していれば万が一の時には安心だが、すぐに現金化できない不動産を持っているようでは安心とは言えない。不動産で儲けた、得をしたという話しはあまり聞かなくなった。