日本は1945年から戦争をしていない
太平洋戦争で敗北した日本は、軍備を持つことを嫌った。何しろ、日本帝国の軍隊ではげんこつなど暴力的な指導が蔓延していたので、多くは嫌っていた。愛国心を叩き込まれ、徴兵され軍事教練で鍛えられ、戦地に行くとそこは圧倒的な敵兵に倒されて狼狽する自軍がいた。
戦場では、お互いに大義名分を持ち、愛国心を持っている者同士が殺しあっていた。家族のために、お国のために、お互いにそう思って平和を望んでいる者同士が殺しあう。見ず知らずの人を敵兵として殺せば、人としての心を徐々に失くしていく。自分が生き残りたいだけの世界。
爆弾を抱いて敵兵に突っ込めという上官。玉砕が日本人の誇りだと美化する上官。部下を死地に送り出しても上官は内地でジッとしている。どんなに部下が死んでも精神がたるんでいると叱咤する上官に、日本人は呆れたのだろう。再軍備に、日本人は快く思っていなかった。
1億玉砕などと叫んでいた指導者は、国民に死ぬ覚悟をさせても自分は死にたいと思っていなかった。終戦後、政治や軍の指導者は、多くの物資や金などの財宝を盗み出している。彼らは戦後、奪い取った財産で政治の中枢にたむろして、この国を腐敗させてきた。何も知らないのは必死になって今日を生きている庶民。
戦争ほど非人間的でバカバカしいものはない。どこの国でも戦争を国民にはやし立てる指導者は、私財を蓄え、贅沢の限りを尽くしやりたい放題。例え、敗戦になっても彼らは不正に蓄えた財産で贅沢な暮らしができる。貧困にあえぐ国民に、私財を割いてほどこしなど考えようともしない。
愛国心を持つ正直者がバカを見て戦死し、仲間を守る正義感が強い者は早く戦死し、ずる賢い奴が生き残る。生き残ったずる賢い奴が戦死した仲間のために生涯を捧げることはない。部下を苛める上官がいて、二等兵をこき使う上等兵がいる。彼らはまずくなると「天皇陛下万歳!」と叫んでいた。