子供を愛するのが親の仕事
僕は学習塾や個別学習進学塾や予備校を経営していた。多くの子供たちに勉強を教えたが、自分の子供達にはいっさい勉強は教えなかった。それは親の仕事ではないと思ったからだ。勉強を教えるとなると、指導者になるので厳しい指導もありえるので教えなかった。
僕の父親はとても厳しい人だった。テストの点数が悪ければゲンコツが飛んでくる。しかし、どんなにゲンコツが飛んできても僕は余計に勉強嫌いになるし、父親には反抗的になっていった。僕が父親に求めていたのは優しく愛してくれる父だったのだ。
そんな経験から、僕は子供たちに勉強しろと言うことはなかった。テストの点数を聞くこともないし、勉強は大切だと言うことすらなかった。いつも笑顔で子供たちを平等に愛することに徹した。手料理を振舞い、海外旅行にも連れていき、いっしょに遊ぶことにした。
学校嫌いになっても、ゲームに夢中になっても、好き嫌いがあっても、勉強しなくても、笑顔でいつも接するようにしていた。子供は、そうした経験を通して自己が確立されていくと思ったからだ。勉強は必要だと思ったときに始めればよいと思っていた。
有名進学校→有名大学→有名企業などというエリートコースなど僕の子育てにはなかった。進学塾に行くように勧めたこともないし、僕が直接進学指導することもなかった。それでも子供たちはスクスク育ち、それなりに有名大学に進学した。
子供達の自立心に任せて良かったと思う。子供たちがそれぞれ大人になってからも僕を尊敬してくださっていることはとても嬉しいことだ。多くの子供たちが親を嫌う中で、僕はとても恵まれた父になることができた。子供は親に愛情だけを期待しているのだと思う。
他人の子供と比べる人ではない。僕には替えのきかない世界にたったひとりの貴重な人。それが自分の子供達。どんな状況であっても支え続け、愛してやまない人。それは子供の親であっても同じこと。お互いに愛し合い助け合い笑顔で甘えられる関係。


