嗚呼、人生これだもんなぁ
学生の頃、新学期が始まり友達といっしょに学校へ。授業もろくに聞きもせず、友達との話に夢中になる。放課後は、廊下や校庭で遊び、楽しい学園生活。しかし、ひと月も過ぎると定期試験の発表があり、試験勉強なのに遊んでしまう。
予想通り、テストの結果は良くない。しかし、定期テストが終われば点数などすぐに忘れて友達と遊ぶ毎日。そして1か月が過ぎる頃、またしても定期試験の発表。嫌になるが、テスト勉強も適当にして、予想通りテストの結果は良くない。
中学、高校、大学受験で自分の愚かさに気が付き、今度こそ最初からしっかり勉強するぞと思っても、入学すればすぐに決意は忘れ、またしても学友と遊ぶ毎日の繰り返し。こうして社会人となる。入社した頃は、意気揚々としていたが、仕事についていけずに落ち込む。
素敵な女性に出会っても告白しては断られ、自分はモテないのだと思い知らされる。成績も良くなければ運動も苦手、仕事も覚えられず、上司に叱られてばかり。これで安月給なのだからモテるはずもないとあきらめる。
仕事が面白くないと退職して、再就職するが、そこでも仕事についていけずに転職を繰り返す。気が付けば中年を過ぎている。収入が少ないことを会社のせいにして、自分は頑張っていると思っても、この年になると自慢できるものはない。
毎日を何となく過ごして定年を迎える。第2の人生だと再就職セミナーに行っても、自分はこの人たちとは違うと思いたい。まだまだ老人などといっしょにされては困ると思っていても、身体は不健康そのものになっている。
高齢者向けの仕事を探してやっと働いているが、こちらはアナログで生きてきたから、若い人のデジタルでの指示についていけない。チンプンカンプンの内容でも何とか仕事をこなして、スーパーの見切り時間にお惣菜とビールを買って帰宅する。
テレビを観ながら、俺の人生何だったんだろうなと思いながら、このまま死んでいくだけだよなと思う。仕事を失くして、自宅にこもるようになり、訪問介護の人が訪ねてくる。嗚呼、俺の人生も終わりかなと思いながら「はい、お願いします」と返事している。