このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

記録は破られるが、メダルは残る

 

1936年8月1日から16日まで、ドイツ・ベルリンでオリンピックが開催された。第二次世界大戦前でヒットラーが政権を握っており、ユダヤ人排斥を掲げている。ユダヤ人が多いアメリカは参加を躊躇した。ヒットラーは、このオリンピックでアーリア人の優位性を証明しようともくろんでいた。

 

参加を躊躇しているアメリカは、黒人差別が激しく5つの世界記録を持つ黒人選手ジェシー・オーエンスに対する嫌がらせは激しいものだった。アメリカは黒人差別、ドイツはユダヤ人差別の中で大会に参加した選手たちは、正々堂々と戦いたいと思った。

 

ジェシー・オーエンスとドイツ選手であり欧州チャンピョンであったルッツ・ロングとの走り幅跳びは予選から嫌がらせを受けていたジェシーにロングが手を差し伸べて通過し、本選では抜きつ抜かれつの優勝決定戦にふさわしいものだった。

 

ジェシーが優勝した時、ロングは彼に手を差し伸べていっしょに健闘をたたえ合った。その後、ロングは激戦地に送られ戦死している。4つの金メダルを獲得したジェシーはアメリカに戻っても馬と競争させるなどひどい扱いだった。

 

オリンピックに参加する選手は、ただ、その競技に挑戦したいだけなのに、政治家に利用され、ビジネスマンに翻弄され、思想家に振り回される。民衆の期待と賞賛と罵倒の中で、選手は競技に参加しなければならない。

 

耳をふさいで、ただ自分の参加する競技だけに集中してほしい。観衆の声を無視し、政治家や評論家の声に耳を貸さず、マスコミに翻弄されず、チヤホヤされても自分の参加する競技だけに集中して自分だけを信じて翻弄されずにいてほしい。

« »