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死んでしまえばただの灰

 

日本は人が死ぬと火葬にするので、数時間で誰もが少しばかりの灰になってしまう。小さな命として生を受け、100年も満たない時間をこの世で過ごして人は皆、灰になって人生を終える。たった100年しかない命なのに、もがいて生きている。

 

大金持ちになりたいとか、超美形の人と結婚したいとか、とんでもない才能の持ち主になりたいとか、スーパーヒーローになりたいとか、夢と現実の区別もつかず、どんなにもがいても挫折してちっぽけな自分を知る。

 

生きていけるだけの収入しかなく、普通の人と結婚し、おまえはこんなこともできないのかと叱られ、黙って謝っている自分しかなく、駅前のお店のラーメンをすするのが唯一の贅沢で、貧乏暮らしに慣れた自分がいるだけ。

 

でも、家に帰れば笑顔が満ちて、貧乏を笑っている伴侶がいて、笑顔で抱きついてくる子供がいる。あ~幸せだなと思っている自分がいる。その日々が続いて灰になっても、満足して人生を終えることができるから不思議なものだ。

 

僕自身、貧乏のドン底で幼少期を暮らしてきたし、青年期も借金の返済で極貧生活を余儀なくされ、誰も近寄らなかったが、それでも幸せだった。自分の日常に夢と希望を感じていたからこそ、他人の評価に関係なく幸せを感じていた。

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