フェアプレーに付加する日本の野球道
スポーツマンシップがフェアプレーの心得なら、フェアプレーはそれを体現した行動になる。ルールをしっかり守り、審判や対戦相手を尊重し、どんなときにも全力を尽くし、勝っても驕らず、負けてもふてくさりたりしない行動。
対戦相手を卑下せず、尊重し、ルールを守ってプレーすることだけでなく、日本人は掃除や挨拶、先輩に対する態度、道具を大切にすることまでも躾けられています。三振して悔しいからバットをへし折るなどの行為はやらないようにと教えられます。
ベンチを綺麗にするだけでなく、グラウンドやコートを自分たちで綺麗にすることも教えてもらいます。不可抗力でデッドボールを与えてしまったら、ピッチャーは帽子を脱いで一礼することもマナーとして身につけています。
コールド勝ちになるゲームでも、手を抜かずに得点を重ねて、相手に対してバカにすることなく、全力で勝ちに行くことが相手に対するマナーだと教えられます。エラーをした野手を責めることなく、全員でフォローすることも教えられます。
フェアプレーに多くのことを付加して、日本人は野球を礼に始まり礼で終わる野球道として楽しんでいるので、世界から見れば驚きの対象に映るのでしょう。僕たちの文化は、世界に誇れるものだと改めて感じることができたのが今回のWBCでした。
ただ、残念ながら後輩にたいするやさしさ、監督やコーチの選手に対する態度や言葉使いは教えられていないので、パワハラやセクハラに驚くこともあります。今でも、リトルリーグのノックで罵声を選手に浴びせる指導がなされているのは残念です。