誰かを傷つけて生きている
人は誰しも誰かを傷つけて生きている。あの人に嫌味を言ってしまった。あの人を苛めてしまった。あの人が嫌がることをしてしまった。あの人が親だったり、子供だったり、友達だったり、先生だったり、後輩だったり、同僚だったり…後から後悔するのだけれど、その時は配慮が足らずにやってしまう。
僕もそうしたことがいっぱいある。どうしてあんな言葉を投げかけてしまったのだろう。どうしてあんな態度をとってしまったのだろう。反省するときはすでに遅く、相手は傷ついている。すぐにあやまればよかったのに、その時はすでに過ぎている。何年も経ってからすまなかったと思う。
すねていたり、暴言を吐いてみたり、励ましてくれた友の期待を裏切ったり…悪いことをしたと反省することばかり。68歳になって周りに気配りしていても、それでも相手を傷つけていることがある。ましてや若い頃は、気配りなんてなく、感じたままに振舞っていたと反省することが多い。
誰かを傷つけて生きてきたのだから、誰かのために生きることも大切だと思うようにしている。誰かを傷つけた分の少しでも誰かに優しくするべきだと思うようにしている。そうしないと閻魔大王に会った時、「おまえは他人を傷つけてばかりだから地獄に落ちろ!」と睨みながら言われそうだ。