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前向き思考(Positive thinking)

 

嫌なことがあるとそのことばかり浮かんできてしまいます。脳には嫌なことがあると深く記憶にとどめる癖があるからです。しかし、脳は新しいことが大好きで夢中になる癖も持っています。そこで新しいことに挑戦すると脳は、そのことに夢中になってくれ嫌なことを忘れさせてくれます。お酒を飲むのもこうした脳の癖を利用したストレス解消法のひとつです。

 

僕はお酒をたしなまないので、嫌なことがあるとネットでレシピを観ながらお料理をしたり、お掃除をしたり、お散歩をしたり、サーフィンをしたり、読書をしたり、話題を変えた原稿を書いたり、街に出てお買い物をしたり、洋服を自分で作り直してオシャレを楽しんだり…ジッとせずに何かを積極的にするようにしています。脳はジッとしていることが大嫌いなので退屈させないことが大切です。

 

僕の胃は胃潰瘍の跡が3つあります。そこで、我慢するばかりだと胃に穴が開くので、我慢していることの逃げ道を考えるようにもしています。嫌な人がいれば避けるようにするし、嫌な仕事であればやらないで済むようにしています。逃げ道がないなら相手をへこますか、自分がへこむまでやるしかないと、さっさと積極的に挑戦して結論を急ぐようにしているのです。

 

衝突すれば、相手も本音でぶつかってきます。感情的にもなりますが、その本音が受け入れられるものであれば受け入れますし、受け入れられないものであれば受け入れられないとハッキリ言います。こちらの思い違いであれば素直に謝りますし、相手の思い違いであれば間違っているとハッキリ言うようにしています。若い頃にはできませんでしたが、還暦を過ぎるとできるようになりました。

 

サラリーマンの頃は20代前半で若く、理解に苦しむ上司の行動についていけずに退職を決意しました。上司にすれば仕事を教えていたのでしょうが、ダラダラ会議や自慢話、会うたびに変わる上から目線の指示、お酒が飲めないのに夜遅くまでお付き合いなど僕には効率の悪い仕事ぶりにしか思えませんでした。そのことを言うと反省どころか機嫌を損ねていたので退職したのです。

 

嫌な仕事はしない、自分が納得する仕事をしたい、バカな上司に振り回されたくないなどと考えると、転職してもまた、同じことの繰り返しになるように思いました。それなら独立しかないと思い、起業して働く道を選びました。魚の行商、下着の行商などから初めて起業とはこんなにも辛くてしんどいものなのかと思うことも多々ありましたが、頑張ることができたのは就職した会社でそれ以上の嫌なことがあったからです。

 

こうした経験から前向き思考は、辛い経験をするほど鍛えられると思うようになりました。あんな上司に振り回されて自分をバカでみじめにするなら、今の方がマシだと思わせる強烈なサラリーマン時代の体験こそ、自分を鍛えて我慢強くしてくれるのです。嫌なことがたくさんある人ほど、前向き思考になる強靭な精神を持ちやすく我慢しやすくなります。マイナスの体験をプラス思考で利用するのです。

 

身体を鍛えるのにきついトレーニングが欠かせないように、心を鍛えるのもきつい仕打ちが欠かせないのかもしれません。楽しいことばかりで生きていたいと誰しも思いますが、ジッとしていれば筋肉が落ちて身体がなまるように、心もジッとしていれば心の強靭さが弱まりなまってくるのかもしれないのです。厳しい環境から逃げ出しても、そのことが自分を鍛えているので情けないと思う必要はありません。

 

脳は嫌なことはハッキリ記憶にとどめていますし、何年経っても忘れることはありません。だからこそ、その記憶をバネにして新しい挑戦をし、乗り越えるエネルギーに変換することができるのです。ジッとしていれば、嫌な記憶ばかりが能の中でグルグル回りますが、それは脳の基本的な性質を利用して落ち込みたいと思っているからです。それを利用してストレス解消につなげる方法もあります。

 

失恋したときに、バラードを聞いて涙し、失恋の映画を見て涙し、部屋にジッと閉じこもって涙しているのは、脳がジッとしていることで悲しい記憶を呼び覚まして反復しているからです。その時間を長く持つことで涙も枯れて心の切り替えができることもあります。自分の脳を観察してみれば、自分をどのようにコントロールするのかもわかります。どちらを選ぶかは自分次第です。

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