かっこいい!
若い頃は、テレビに出てくるアイドルがカッコいいと思い興奮し、マネなどをしたものだ。文句ばかり言って、偉そうにしている大人が信じられなくなり、若者に語り掛け、共感してくれるアイドルが信じるに値する人のように感じる。それが商売で、そうするように大人たちによって支えられているとは思えない。
アイドルは、傲慢で二枚舌を持つ大人を手玉に取っているように感じ、アイドルこそ自分たちの代弁者で大人に負けていない若者の理想に観えた。アイドルが話す言葉は僕たちの本音で、その言葉に大人たちが戸惑うのを見ることが楽しかった。それがどんなに縁の下で頑張っている大人たちの演出だとしても…。
還暦を過ぎると、アイドルに憧れることなく、熱中している若者を観ると自分もかつてはそうだったなぁと苦笑いする。最近は、街の清掃などのボランティアをしている人を見ると、これが本当にカッコいいことだろうと思うようになった。みすぼらしい格好でたばこを拾っている方に「ありがとうございますヽ(^。^)ノ」と言えるようになった。
見た目のカッコよさで納得する若い頃と、他人のために身を粉にして頑張っている人をカッコいいと思うようになる還暦過ぎ。そういえば、若い頃は見た目の綺麗な女子に心をときめかせたものだが、還暦を過ぎると心優しい女性を観ると心がときめくようになった。老齢になると見た目より内面を重視するようになっていく。