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目に見えないものを見る力

002日本がアメリカを相手に戦いをしようと思っていた時、すでに日本の生産能力がピークアウトしており、下降気味で現場が要求する弾薬の生産量すら達成できない状態だったことはあまり知られていない。戦争するには弾薬や兵糧が必要で、戦場の兵に充分な弾薬や兵糧を供給できなければ戦争には勝てない。

 

しかし、感情的になってアメリカ倒すべしとする国民感情に煽られるかのように日本は真珠湾奇襲攻撃を行う。初戦において、航空機では世界一の性能を発揮するものの、生産量では圧倒的に劣る日本は半年で劣勢に追い込まれていく。感情的にならず、普通に判断していれば、負けるとわかっている戦争だった。

 

国家間の戦争は総力戦であり、どちらかの国土が焦土と化すまでやり続ける。日露戦争のようにチョッと勝っただけで講和に持ち込めたのはロシア革命が起こったから。相手の国土を焦土と化すまでやり続ける気があるのかが問われるのが戦争。その気がないなら、外交によるしかないし、力関係なので理不尽な要求も飲まざるを得ない。

 

普段の生活においても、感情が優先されて冷静さを失くし、負ける、あるいは相手を傷つけるとわかっていることをやってしまう人がいる。気に入らないことがあるとすぐにカッとなってしまって見境がなくなる人に会うと、日本もかつては、こうした感情に押し流されて戦争に突入していったのではないかと思ってしまう。

 

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