メンツにこだわりメンツでつぶれる
日本では掛け軸が掛けられている入り口から遠い席がもっとも上位の上座、その横が次の上座ですし、反対側の入り口から遠い席が上位の下座、入り口に近い席がもっとも低い下座になっています。どこに座るかで、誰がもっとも位の高い人なのかがすぐにわかります。
国家元首などの座る席も同じことで、中央の席で入り口からもっとも遠い席がもっとも偉い国家元首やおもてなしの相手になります。先に頭を下げた人が後から頭を下げる人より偉い(上位の人)という人もいます。これを間違えるとメンツを飛ぶされたと大騒ぎします。
ある国の元首が、別の国のことを話した時、それをどうとらえるかはその国の度量ですが、チョットした表現でも気に入らないことがあると、国を挙げてある国の元首や国家を責め立てる。これもメンツを潰されたからだということもできます。
メンツをつぶされたと思っている国は仕返しを行い、お互いの国家間の交流を停止したり、貿易を制限したりします。そうなると、責められた国家も同じようにメンツをつぶされたと思って反撃するようになります。それが口論で済んでいる間はよいですが戦争に発展する恐れもあります。
そう予想した国は、相手先の軍事力に負けまいと装備や兵員を強化し始めます。何しろ戦争は勝った国が正しいというおかしなことがまかり通るのですから。責め立てられた国が軍備増強すれば、責めている国も同じことを考え軍備増強しはじめます。お互いにメンツの為に軍事産業だけが儲かります。
人民の交流は途絶え、お互いに相手国を非難するようになりエスカレートしていきます。マスコミは相手国を責めると儲かるのでエスカレートした情報を流します。戦争が始まれば、それこそ悲惨なのでメンツが保たれて鞘を納める方法を探し始めます。お互いに何のメリットもない状態が続きます。


