社長の仕事
企業経営は、順風満帆にいくことがない。起業したての頃は、儲けるために必死になり、順調に伸び出してからは少しゆとりが出て贅沢もできるようになる。そんな状態がいつまでも続くことはなく、業績が下降しだすようになる。
社長の仕事は、ここから始まる。業績が下降しだすということは、何かしらこれまでとは違った手を打つ必要がある。そのことに集中して必死になって行動できれば、業績の下降を食い止めることができるだろう。
しかし多くの場合、社長は社員のせいにしたり、社会のせいにしたり、自分以外のせいにして逃げている。これまで、のんびりできた分だけ忙しく仕事に集中するべきだが、愚痴が出てきて不満を社員や家族にぶつけてしまう。
赤字経営になれば焦って金融機関に融資を申し込むが、業績改善の事業計画がない。机上の空論のような事業計画で融資を受けられたとしても、行動が伴わなければ感情を爆発させて赤字を拡大するだけになる。
誰よりも早く出社して、誰よりも遅く退社して、誰よりも一生懸命になって現場で働いて、社員の幸せを守り抜く決意をみなぎらせなければ社員は社長を見限る。仕事に対するお手本を社長が示さなければ社員は就いてこない。
年齢に関係なく、キャリアにも関係なく、社長たるもの毅然たる態度で社員を守るためにどう行動するかで業績は決まる。未来を予見して行動できる社長だけが生き残れるのが弱肉強食のビジネスの世界。30年間、この会社の社長を続けてきて実感している。