美味しい料理は火を止める
料理を初めてする人は炒め物や煮物を強火にしがち。調味料も何種類も使った方が美味しいと感じている。しかし、長年調理をしていると、炒め物でも最初はさっと強火で炒め、すぐに弱くしたり火を切って放置したりすることで食材のシャキシャキ感を出すようになる。
煮物でも、沸騰させてから火を切って肉を入れ、柔らかく煮込むようになる。熟成させること、待っていること、放置すること、そうして熟成した状態を待つことも調理では大切。火加減や塩加減に加えて放置加減も大切な調理方法なのだと気が付く。
人の成長も同じことで、ガンガン頑張っているだけが成長ではない。ゆっくり休むことも成長につながる。猛烈に勉強したり働いたりすることも成長につながるなら、何もせずに寝ていることも遊んでいることも成長になっている。
自分は何もせずただボーッと生きているだけだと落ち込む必要はない。そうした時間があってこそ、ガンガンやっていける活力が生まれる。ボーッとしているのはやるべきことがわからないからで、そのうちやってみたいことが出てくる。それまで待っていればいい。
人も、美味しい味が出てくるまでゆっくり熟成する時間が必要。3年寝かせた味噌が美味しい味を出してくれるように、のんびりしていても、それがその人の熟成期間だと思ってそのままでいる方が良い。焦って社会に出てみても味気ないだけだ。