権力の魔力
就職して仕事を覚え、役職が付くようになり部下ができて指示できるようになる。役職手当もついて自分は偉くなったのだと思うようになる。仕事で遅くなっても家族も応援してくれている。部下と出会えば頭を下げて挨拶してくれるようになる。
でも実績が伴わなければ降格される。業績を伸ばすために努力するが、思うように業績は伸びない。上司からは矢のような催促が飛び交い、「いつになったらできるんだ!」と厳しい目つきでにらまれる。このままだと降格されるがそれを家族に話せない。
今の役職を手放せないのは権力の魔力に獲り付かれているから。権力の魔力に獲り付かれているのは政治家だけではない。今の役職を失いたくないと心を病むまで仕事をしている平凡な人にも当てはまる。
今の仕事を失えば家族から責められる、会社の仲間に迷惑がかかるなどと思う必要はない。自分がこの世に生まれてきたのは、喜びを感じて幸せに生きること。誰かに迷惑をかけたり、失望させたりしたとしても自分を大切に生きた方が良い。
中間管理職の人は上司から責められ、部下から無視され、家族から期待され、八方ふさがりのことがある。部下の失態をフォローし、上司の指摘に頭を下げる。お客様からのクレームに謝罪して、自分は何のために生きているのだろうかと思う。
話を聞いてくれない上司、対策を打ってくれない上司、優しさを感じない上司、ヤル気のない部下、反抗的な部下、帰宅しても無視する子供や妻(旦那)、生活費が足りないとこぼす妻(旦那)、~を買ってほしいとねだる子供…すべてを投げ出したくなる気持ち。
すべてを投げ出したくなれば、いちどすべてを投げ出せばイイ。非難され責められてもイイではないか。ひとりでどこかに逃げ出せばイイ。ホッとして、チョッと自分を見つめて何かを感じるまでジッとしていればよい。それがこれからの生きる道しるべになる。