頭カチカチ、身体ボロボロ
還暦(60歳)を過ぎると石頭と思えるぐらいに頑固になり、身体は生活習慣病でボロボロになっている。再就職をしようとしても昔の職場自慢で再就職できずにいる。新しいデジタル機器は使えると思っていたが、仕事で書類も作れないことも知った。
腰痛で、椅子に2時間も座っていると腰が痛くなり立ち上がることも億劫になる。重い荷物は運べない。指示された仕事の内容を理解することができず、何度聞いても知らない単語ばかり。だからと言って、今さらデジタル機器の勉強などしたくない。
若い頃、就職したときは先輩の言うことをよく聞き、何でも素直に「はい!」と言って指示に従っていた。仕事で困った事があると先輩に助けてもらったり怒鳴られたりしていた。そのたびに頭を下げて謝ったりしていた。
そうして数年が経ち、後輩ができて仕事を教えるようになった。20年も経てば役職が付き自分で現場に行くこともない。業者の人をゴルフや料亭で接待したり、クラブで契約の話をまとめたりしていた。契約が取れなければ仕事がない。
現場の後輩に頑張って契約が取れたことを自慢していたが、徐々に現場に不慣れになり接待と自慢話と精神訓話しかできないようになっていく。会社にいれば皆が先に挨拶してくれるし、こちらは会釈するだけで済む。
10年以上の接待生活で、糖尿病と診断され、身体のあちこちに異常が見つかるようになる。仕事熱心の勲章のように病気自慢をすれば、後輩社員が熱心に聞いてくれる。退職してから、どうして俺は使い物にならない人間になってしまったのかと考えてしまう。