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昭和は遠くになりにけり

 

1926年から1989年まで昭和の時代だった。35年も前の話。昭和28年生まれの僕も歳を取ったものだ。30代前半の若者には昭和はすでに遠い過去の話で、思い出などはなく歴史の中の話。戦後、あれほど賑わっていた街も今では過疎になり売り家が増え、空き地が広がり、駅前は再開発されている。

 

地元にいれば、遠い昔の賑わっていた街が甦り、幼い自分が街で遊んでいた記憶が蘇る。一緒に遊んでいた友達の何人かはすでに亡くなっているのにはっきりと顔が思い出される。よく買っていた駄菓子屋の奥さんはなくなり、お店も閉めて売り家の看板が立っている。

 

毎日のように食べに行った中華料理屋のご夫婦も亡くなり、今では空き家になり草が家を覆うように生えている。平成生まれの若者が新しいお店を開いているが、年老いた僕は遠くで見るだけで、若者で賑わっているお店に入る気がしない。

 

令和になり、30年続いた平成も終わり、昭和は遠い時代の話になった。ちょうど、僕が幼い頃、明治生まれの人を見て感じた印象が令和の子供たちの感覚だろうと思う。昭和レトロが人気なのも初めて見る景色だからだろう。それを詳しく話せる僕は、すっかり年老いてしまった。

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