ひとりも犠牲にはしない
僕が関係した人々の幸せを願い、行動してあげることで、その人が元気になり笑顔を取り戻してくださればこれほど嬉しいことはない。四半世紀も昔の教え子に会い、苦労しながらもたくましく生活している姿に接すると、あのとき教えたことが今でも生きていることに感謝する。
子供たちに、自分を活かして生きるには学問が大切だと教え、世のため、人のために尽くそうと努力するほどに自分が活かされると教えてあげた。僕自身も、そのことを実践しようと努力してきた。教え子たちがいつまでも僕に教えて貰ったことを誇りに思えるように頑張ろうと思った。
授業料などある時払いの催促なしで学問を身につけさせ、進学させた教え子もいる。手料理をほとんど食べたことがない子供たちには、手料理を毎日のように振る舞ってあげた。寝食を共にする子供たちもいた。親の愛情を知らない子供たちには、親代わりとなって親身に世話をしてあげた。
会社を経営するようになり、多くの社員を抱えるようになると、この社員たちの生活をより豊かにするために自分をより抑制してきた。この人たちの幸せを願い行動し、自分の幸せを二の次にする。ひとりの教え子もひとりの社員も犠牲にしないよう精いっぱいの努力を惜しまないでやってきて何の悔いもない。