命に対して手を合わせる
人は、亡くなった人に対して手を合わせ、頭を垂れて拝む行為を自然と行っている。如何に無宗教の人でも命に対する畏敬の念はあり、その命に対して手を合わせ、頭を垂れて拝む姿勢をとっている。お墓の前で、事故現場で・・・そして、日本人は食事時にも同じ行為を自然と行っている。
僕は料理を毎日しているので、毎日のように食材を買いに行き、調理している。その食材は、新鮮で元気なものばかり選んでいる。チョッとでも新鮮でないものや元気のないものは買わない。調理するすべての食材は、ごく最近まで生きていた世界にたった一つの命ばかりだ。
その貴重な命を調理して頂くとき、自然と手を合わせたくなる。その行為は、日本人が自然に行っているものだが、世界的には珍しい。お皿に盛られた貴重な命を頂くからには、命の尽きるまで元気で、他の命を貴び、食べた命によって活かされていることに感謝しなければならないと思う。