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街の再生

昭和40年代、駅前は小さな個人商店でにぎわっていた。メーカーや市場から仕入れて販売するだけで商売繁盛。定価販売なので価格競争がなく、家族経営のお店が元気に営業していた。あれから半世紀、あれほどにぎわっていたのに、すっかりシャッター街になってしまった。

 

価格競争に負け、買う人もいなくなった商店街は、かつての商店主がご高齢になりお住まいとして利用しているだけになった。賃貸に出しても借りてはいないし売ろうにも買い手もいない。仕入れて売るビジネスモデル以外やったことがないので、放置状態になっている。

 

行政から街の再生に土地を買い取って大きな複合ビルを建設し、地下駐車場、地上二階までを商店街、3階以上をマンションにしてこれまでの住民はそこに地権者として住んでいただき、ご商売をするなら新たな商店街に出店していただく。販売するマンションで建設費を賄う。

 

こうして駅前再開発が行われるが、商店街は大手の食品スーパーやドラッグストア、飲食店以外はお客様に見放され、数年もすればシャッターが降ろされたままになる。地権者との交渉で売り上げが落ちれば強制的に買い取るようにして新規のテナントを入れ替え活性化する方が良かった。

 

競争力のある元気な商店主は、再開発された商業施設に入れないので、その近辺の古い町並みの住宅街に入居する。数年もすれば古い町並みのお店が数件できて人気になり人出も多くなりにぎわってくる。行政の目論見は見事に外れて、再開発しなかったエリアが観光名所になっている。

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