眠れぬ夜はひとり歩き
どうしても眠れない夜がある。眠ろうとすると余計に眠れない。眠らなければと思うとさらに眠れない。そうした夜は、寝ることを諦めてひとりで夜の街を歩くことにしている。人気のない深夜の街はひっそりとして普段とは違う空気感がある。
知っているはずの街角、通り、街路、深夜はまた違った風景になり、たまに歩いている人を観ると新聞配達の人だったり工事をしている人だったりで、こんな深夜に働いているのかと驚くこともある。歩きながら夜空が白んでくることもある。
一人歩きしているといろいろ考えることもあれば思い出がよみがえることもある。楽しいことや苦しかったことなど…。そのどれもが自分だけの人生で、大切なものに思えてくる。苦しかったことなのに笑えてくるから不思議。
爽快な気分で家路につきそのまま出社することもあるが、その日の夜はぐっすり眠ることが出来る。何しろ寝ていないし歩いていたので疲れてるしで眠くて仕方がなくなっている。早朝まで歩いていたことで気分も爽快になり寝つきもよくなる。