このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

自社ビル所有が節税対策なんてとんでもない

会社が利益をたくさん出すようになると会社に資金として蓄えるよりも、自社ビルなどの不動産を所有して節税宅策をするようになる。例えば、毎年1億円の経常利益が出れば5000万円の法人税を納めなければならないが、50億円の自社ビルを借入金で建てて、もしも利息返済が毎年5000万円、減価償却が5000万円なら利益は0円になり納税しなくて済む。

 

僕の知っている経営者もこうした考えで大きな自社ビルを建てて招待してくれたが10年も経たずに倒産していった。自社ビルを建てると聞いたときに反対したが、そのときは社屋が立派なら優秀な人材が来てくれるからと叱られ何もわかっていないと軽蔑された。最上階には豪華な社長室があり立派なデスクも革張りの応接セットもあった。

 

不動産を所有すれば多額の借入金の返済があり、これが資金を圧迫する。賃貸であれば家賃は全額経費として処理できるが、自社ビルの場合、建築費は減価償却費として毎年経費算入できても土地代金はまったくできない。返済利息は経費算入できても元金の返済分は算入できない。また、事業が悪化したからといって直ぐに売却できるものではない。

 

別の経営者は投資目的で高額なビルを自社ビルとして購入したがバブル崩壊でビルの価格が暴落し、返済できずに倒産した。また、別の経営者は自社ビルが阪神淡路大震災で半壊し立て直す資金がなくて安値で売却したが多額のローン残高があり苦しんでいた。本社ビルは何の収益ももたらさない。1円の儲けも出ない投資に莫大な資金を投入するより、工場や店舗など、そこで儲けが出てくる投資にするべきだろう。

 

« »