当社には定年がない
かつて60歳にして定年退職があり、今は65歳にして定年、これが70歳になる。僕の父は早期退職したがやることがなく保険会社に再就職したが若い上司にノルマを消化できないことで罵倒され泣いていた。我慢するより退職して宅建の資格を取得して不動産屋を始めた。それでもなかなかうまくいかなく、町会議員になったがそこでも苦労していた。
人は仕事に慣れるとそれが最高の喜びになる。かつての職場を懐かしく思っている父を見てきた僕は自分の会社に定年制度を導入しないようにした。それに不動産を購入した社員が35年などの長期借入をしているので定年を設けない方が良いと判断した。定年後もローンがあれば再就職しなければならないし、65歳からの再就職はかなり厳しい。
多くの企業では55歳で役職定年、古い感覚とスキルで時代遅れだと判断しているが、彼らは会社を支えてくださった人材で、再教育すれば役に立つ貴重な存在。古い感覚は新しいことを習っていないからで、教えてあげれば使いこなせるようになる。これまでの経験を加味して若者が驚くような使い方を提案するかもしれない。
少々物忘れがひどくなっても優しさがあり経験も豊富な人材を使いものにならない人のように扱うのは間違っている。人は幾つになっても成長できる。体力の限界を感じて本人が辞めるというまで働けばいい。お年を召した方が汗を垂らして笑顔で仕事している姿ほど美しく見えるものはない。