調理は技術であり、その技術を身につけて料理を頂く方への愛情が調理している人になければ、その料理を頂く人に申し訳ないと僕は思う。さらに高い技術を身につけて、さらに美味しく健康で元気になる調理方法を知りたいと思わせるのは、料理人が調理した料理を頂いてくださる方への愛情である。

 

料理に対する愛情があれば、食材へのこだわりも持つようになり、どのようにしてその食材が作られたのかを知ろうとするし、農薬散布の量などを知って安全かどうかも考えるようになる。新鮮な食材、美味しい食材を求めて農地や漁場に足を延ばすこともある。

 

調理にもひと手間をかけて、美味しいと言っていただけるように工夫するようになり、調理時間を気にしない。味噌や梅干し、漬物やらっきょなどは自分で作るようになるだろうし、自分で作れば味を工夫するようになる。料理に対する愛情があれば、いつまでもこれで良いとは思わず、絶えず精進しようとする。