愛国心を煽るには敵を作ること
昭和初期の日本は連戦連勝!はるかに強敵だと思われていた清国にも勝ち、ロシアにも勝ち、向かうところ敵なしと思われていた。日本の民間人は占領したアジアに移民として優遇され渡っていった。それに待ったをかけたアメリカに許せないと言い出したのは新聞であり、政治家や軍部だった。
アメリカの経済封鎖を許さない論調から、仮想敵国としていつかは戦争をしてギャフンと言わしめねばならないという論調になり、鬼畜米英になり、ドイツに歩みよるのが正しい選択だと日本国民に説明して国際連盟から脱退し、その意見に反対するのは非国民だと意識を植え付けていった。
当時の日本は、4年も続く日中戦争で不景気になりつつあり国民の不満を軍部や政治に向かわせないためにも仮想敵国を煽っておくのが大切だった。今、日本製品を買うのは不道徳!日本に行くのも不道徳!日本人を許すな!とあおっているどこかの国の政治家やマスコミがいる。憎しみを煽るやり方は当時の日本を思い出す。
自国の不景気のせいを他国に転嫁して憎しみを煽り、増幅させた日本は、その後戦争やむなしと煽られた国民も納得し、平和を訴える声は非国民とののしられるようになる。こうして喜び勇んで戦争になり、お国のために死ぬのは栄誉あることだと信じたが大敗を喫して敗戦。国中が廃墟と化した。
政治家は不景気になると隣国のせいにして政治手腕のお粗末さを隠す。政治的な問題を煽り、両国が大好きな人たちの意見を非国民と思わせるような論調や行動は慎み、政治的問題は、あくまでも政治家同士の問題であり国際裁判をするなりして問題の解決を冷静にはかるのが政治家たるべき態度。