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弱い人ほどたくましい

 

人類の祖先は、立派で強く強靭な肉体を持っていたのではなく、その反対で太古の昔はもっとも弱々しい生き物で、肉食動物から逃げ回っていたらしい。ホモサピエンスも、人類の中では弱い方で、ネアンデルタール人の方が強靭な肉体をしていたが滅んでしまった。強いから生き残った訳ではなく、弱いから知恵を働かして生き延びた。

 

僕は、人並み優れた肉体もなく、学力もなく、特別な才能があったわけでもない。お酒や煙草をたしなまず、ゴルフもしない僕は、人付き合いもほとんどしない内向的な性格だと思う。それでも、社会でたくましく生きていられるのは、知恵を働かせているから。それが自分を鍛えることになる。

 

成績優秀、人並み外れた体力もあり才能あふれる人が、自分の才能におぼれて没落することもよくある。チヤホヤされているからだろうが、人格を磨くことを疎かにしてしまう。その反対の人は、チヤホヤされることがなく、知恵を働かせて何とか人並みに生き延びるしかない。それが成功の因子となる。

 

若い方で、もがいて苦しんでいたり、悩んでいたりする方を見かけるが、そうした人ほどのちの成長が楽しみでもあるとわかるのは、還暦を過ぎたから。こうした状態の方は、何をのんきなことをと思われるだろうが、それは自分自身が歩んできた道だから。何も心配いらないからのんびりしていればイイとアドバイスしている。

 

焦ったり、我慢したりすれば非常に危険で、心を病んだり身体に異常をきたす恐れがある。失恋したり、仕事がうまくいかなかったり、叱られてばかりだったりして落ち込んでしまうのは当たり前のこと。焦らず、慌てず、じっくりと休んで自分に必要なものを、時間をかけて探せばいい。

 

和歌山出身で経営の神様と云われている松下幸之助さんも、身体が弱く特別な才能があったわけでもないが大成功されている。どうやら、若い頃から恵まれていない方が大人になってから生き延びやすいのかもしれない。ダメ人間だと思っている人が、何とか生き延びようと知恵を絞っていると、才能に恵まれた人より成功する。

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