作戦の失敗をどこで修正するか
日本陸軍がインド北東部の都市インパール攻略を目指した作戦(インパール作戦)は、大失敗になったが、作戦を立案したときから補給は望めず、敵を甘く見て、実弾なく多くの戦死者を出しながらも作戦続行を指示し、戦後もこの作戦は間違っていないと立案実行した将校は言っている。
日本軍がたてた多くの作戦では、攻めることが中心で戦国武将のように負け戦での対応策や補給路の確保などは無視されている。戦上手な豊臣秀吉は、情報収集や調略、自分の兵士をできる限り使わない戦略など、戦にならないで相手を降伏させることを重視しているし、補給に関しては他の戦国武将の誰よりもうまい。
ビジネスの世界でも、戦略の立案段階ですでにリスクを無視したものが多くある。そのためつまずいてもやり続けて倒産にまで追い込まれた企業がたくさんある。規模拡大による売上拡大、安売り競争、企業買収、不動産投資、売れると思った商品開発…誰も制止せず、どこまでもやり続けることで倒産していった。
最初は嬉しくて仕事が楽しくて生きがいを感じる。事業計画のようにうまくいけばよいが、思ったような儲けが出なくて赤字になっても拡大を続けようとする。どの段階で、修正し、作戦を見直すのかあらかじめ決めていないので、作戦続行していき傷口を広げている。こうしてダイエーやカネボウなど日本一の業績を誇っていた有名企業が倒産していった。