不動産価格の下落が始まっている
2015年の国勢調査で、日本の総人口が初めて減少に転じた。全国の8割以上の自治体で減少した。2020年は、東京で人口が減少に転じ、品川区や目黒区、渋谷区、中野区、豊島区などの11区で人口が減り、2040年から都内のすべての区で減少になると予想されている。
価格は需要と供給によって決定されるので、若者が減少し、マンションや戸建てなど買いたい人が減少すれば価格は下がる。人口減少によって借家や賃貸マンションも空きが増えてくるので家賃は下落していく。家賃が安くなれば高額な不動産購入をしない人が増えてくる。
20年後の日本で、不動産価格が下落していると予想するのはこうした根拠があるから。35年ローンを組んで不動産を購入して、10年ほど返済しても利息ばかりで元金はほとんど減らない。しかし、購入した不動産は下落しているので10年後、転売すると借金だけが残るようになる。
資産の減少がローン残高よりも早いので不動産の購入より、家賃が下がるので賃貸の方がお得だと思う。かつて僕が営業していた40年前頃は、不動産価格は年に1割程度上昇するので、値上がりする家賃より返済額が上がらない不動産を今買っておけばお得ですと話した。
人口が増え、土地が値上がりする頃、土地投機は資産の保有としては最高。土地を持っているだけで資産が増えていった。土地成金は多くいて、誰もがお金さえあれば、どんな辺鄙な土地でも買っていた。しかし、2017年、大都市郊外ではすでに不動産価格は下落している。
相続税対策のために大量の賃貸住宅が建てられて空き室が増えており、家賃は下落している。所得が伸びないので不動産の購入を控えている若者が増えている。所得の高いシニア世代は、すでに持ち家に暮らしているので相続税対策でもない限り不動産を購入しない。やはり、不動産価格の下落は避けられない。