一世を風靡した企業が変わろうとする
大塚家具は、欧米の高級家具を直輸入して販売する富裕層向けの家具販売で日本一になったが、ベトナムなどで生産して販売する安くて日本人好みにデザインされたニトリに大きく販売額で差を付けられた。今、大塚家具は長女が新社長となって中産階級向けの商品を拡大しつつあるし、高級家具の修理にも挑戦している。
テレビでの映像販売で一世を風靡したジャパネット・タカタは、創業者の社長が引退して長男が新社長となり、テレビ通販での常識を破り、キッチンコンロのような取り付けなどが面倒な販売商品を拡大しつつあるし、販売商品の修理を数日内に完了できるよう自社内で修理が行えるサービスの充実に挑戦している。
20年前、文章入力は一太郎、表計算は花子だったのに、今ではWord、Excelになっている。インターネットでの友達つくりは、ミクシィが主流だったのに、今ではFacebookやlineになっている。ネット販売大手の楽天に出店して販売チャンネルを増やしていたお店は、アマゾンやヤフーなどに鞍替え出店している。
従来のビジネスモデルが10年から20年で通用しなくなり、お客様はより充実したサービスや商品や販売チャンネルを利用するようになる。これまでの勝ち組は負け組になり、苦しい運営を余儀なくされるようなり変わりはじめる。同じ商品やサービスがいつまでも通用することはない。
変化の担い手は、これまで企業を引っ張ってきた社長ではなく、そこで働いてきた若い従業員たち。彼らこそ変化の兆候を的確にとらえて、変わるべきビジネスモデルを構築していく。従来の勝ちパターンを変えることは容易ではないし、変化によってより高収益になる保証は何もないが何もしないよりは面白い。