マーケットを理解しない多店舗展開は危険
日本で一番ホットな人たちが集まる東京の青山でイタリアンレストランをオープンすれば、本場仕込みのイタリアン料理を提供する必要がある。イタリア人も来店するし、イタリア在住の日本人も来店してくる。彼らの舌を満足させるには、食材や調味料に至るまで本場のモノでなければ納得しないし商売は繁盛しない。
一方、北海道の富良野でイタリアンレストランをオープンするなら、富良野産の食材を使ったイタリアンレストランをオープンしなければ、観光客は満足しないだろう。本場のイタリアンなど、都内にいくらでもある。ここでなければ食べられないイタリアンは、ここの新鮮食材を使ったイタリアンしかないし、それで勝負すべきだろう。
市場は、都会や田舎では違ってくるし、その街に暮らす人々の年齢層や所得層によっても違ってくる。出店するときは、その土地のことをしっかり調査して自分なりの感覚を磨く必要がある。他人任せや、業者任せにせず、自分の足で歩いて、その街で暮らしている人々と直接話をして確かめることが大切。
多店舗展開するということは、同じモデルをたくさん作ることでは成り立たない。その土地土地にあったアイテムを理解して、商品やサービスを提供しなければ多店舗展開はつまずいてしまう。田舎では高級ブランド店が成り立たないが、銀座なら超高級ブランド店が成り立つし、それを人々は求めている。