好き嫌いなく何でも食べなければ接待の席で困る
僕は幼い頃、母親から家は貧乏だからお前には何の財産も残してやれないが、出世する方法を教えてあげると言われた。その一つが、接待の席で相手から高い評価を得る方法で、出されたモノはすべて「美味しいですね!」と言って、食べ残しをしないようにということでした。
自分が接待するときでも、相手の接待を受けるときでも、相手が最初に食べるのを待ってから、出されたモノはゲテモノであろうと「美味しいですね~!」と言ってほおばること。相手の方の第一印象はこれで良くなるから、堂々と自分が相手に求めていることを述べればよいと母親から教わった。
食事のマナーもキチンと教えてもらったので、スープは音を立てることなく飲めるようになったし、お皿をガチャガチャと音を立てないで食べることもできるようになった。急いでガッツクこともなく、お魚は骨だけになるように食べつくすことができるようになった。
食べ方一つで、その人柄がわかるから気を付けなさいと言われていたので、ナイフやフォークの使い方やお箸の持ち方などは練習した。家は貧乏だったが、お金持ちの方のマナーを母親が教えてくれることが楽しかった。学問を積んで研鑽していれば、いつかチャンスはやってくる。それを必ずモノにしようと僕は思っていた。