チヤホヤされると人は傲慢な態度になる
子供は甘やかして育ててはいけないという諺に「かわいい子には旅をさせろ」とあるように、大人であっても甘やかされてしまうとつけあがっていることすら気が付かないようになる。他人が自分に食事、クラブ、ゴルフ代を奢るのは当然だし、電車はグリーン車、車は高級車、身につけるモノは誰もが知っている高級ブランド。
自分から先に頭を下げることはなく、出会った人が頭を下げるのが当然だと思いこんでしまう。他人には命令口調や積極口調になり、如何にも自分が指示してやらないとできないだろうという態度で満ち溢れている。しかし、今の本人は勉強不足でこれまでの才能や技量、親の七光りで評価されているだけという人も多い。
人よりも優れた身体能力、財産、名誉、地位、権力などを持っていると、誰もがうらやましさから尊敬して接するようになる。そうした態度で接してくださる方々への感謝を忘れて当然だと思うようになる。優れているのだから、庶民には手が届かないそれなりの身なりをし、自慢したくなる。
人としての成長を忘れた態度は、傲慢で自己勝手になり感情的で反省の色もない。人々は色褪せてきたその人から遠ざかるようになり、最後はひとりぼっちになってしまう。落ち目になって誰にも相手にされなくなるとやっと反省するようになるが、時すでに遅く、才能も技量も親の七光りさえも失くしている。
どんなにチヤホヤされても自制心を失くさず、いつも謙虚で慎重で誰に対しても感謝の念を忘れず、腰が低い態度を崩さないことだ。どんなに素晴らしいと評価されても、探求心を失くさず、自己を高める努力を怠らないこと。そのためには、みずから発する言葉より、他人の言葉に耳を傾けることだ。