家庭料理は健康料理
僕は幼いころから毎日、台所に立って調理している。保育所の頃は、母親の言うがままにお洗いものをしていたが、小学生になると調理場に立っていっしょになってコロッケやチキンライスなど作っていた。母親から料理方法を教えてもらい、料理人だった叔父からは皿洗いや包丁の研ぎ方、使い方などを教わった。
自分で調理すると、合わせ調味料のレシピ通りではなく、自分の舌で合わせ調味料を作るようになるし、チョッとした創作意欲も湧いてくる。お酢の代わりに酢だちやレモンの絞り汁を使ってみたり、その皮を天日干しして味噌汁に入れてみたり、お砂糖の代わりに蜂蜜を利用したり、油の代わりにレンジを利用したり・・・
若い頃は、如何に安く食費を上げるかに挑戦していたので、夜の見切り品を買ってきたり、バーゲンセールのチラシをくまなく調べたりしていた。大学生の頃は、1日500円、1か月の食費は15,000円ぐらいだった。家庭を持つようになると栄養や美味しさを大切にした調理に切り替え、今は健康を重視した調理にしている。
手料理は愛情の塊で、どんなに素晴らしい料理よりも愛情がこもっている。しかし、人の愛情が伝わらないときは、外食で食べる何が入っているのかわからない料理の方が好きだという。子供たちに栄養をと考えた手料理は、マクドナルドやミスタードーナツに苦汁をなめさせられた。それでも、いつかは親の愛情がたっぷり入っていたのだと気が付くときが来る。