植物はその土地でジッとして動けない。多くの外敵に対して対抗するには、みずからが化学物質を出して抵抗するしかない。こうした化学物質をファイトケミカルと云う。食物についた病気を回復させる効力や腐らないようにする効力、抗酸化など植物はいろいろな化学物質を出して身を守っている。

 

僕たちはこうした力を、食物を食べることで手に入れてきた。栄養素ではないものの身体には必要不可欠なもので、野菜を煮炊きして食べることで、健康で長生きしてきた。しかし、加工食品には、こうしたファイトケミカルがほとんどないため、加工食品に頼った食事は病気になりやすく老化も早いと考えられている。

 

新鮮な野菜や果物をしっかり食べなさいと昔から言われているのは、野菜の栄養素ばかりではなく、こうした植物が本来持っているファイトケミカルを人体に取り入れて健康で長生きできるようにするため。パンやお菓子、冷凍食品など安くて便利な加工食品に偏りがちな食生活をしている人は多いが、自分で調理する食事ほど健康で長生きできるものはなさそうだ。

 

最近、病気で悩んでいる方が増えているが、食生活をみると偏食になっていたり、加工食品に偏っていたり、外食が多かったりで家庭での手料理をほとんど食べていない人が多くいる。カロリー気にしていたり、栄養ばかり気にしていたり、新鮮な食材を買ってきて手料理するのを避けている人が病気になりやすいのも事実。食事は命を頂く行為で、新鮮で元気な命をいただくことで自分の健康を保っている。