会社にお金を残さない
企業は会社にお金を残すと、税金を支払ってやっと残したお金に、更に税金をかける時代が最近まであり、会社に内部留保金としてお金を残さないようにしていた。利益は、社長の給与として支払われて、会社の決算書は黒字すれすれにしておくのが良い経営だという時代が長く続いた。
中小企業の決算書の70%以上が赤字だというのは、こうした理由からで、儲けは社長の懐にガッポリ入れておくのが節税対策。しかし、社長の個人所得にすると、社長はこれを使いたくなる。贅沢三昧な生活に慣れてしまうと、仕事に身が入らなくなるのは当然。会社に行くより、贅沢好きな出会い系経営者のセミナーに行くようになる。
僕は儲けたお金のほとんどを会社に残すようにしており、会計士からはバカ正直すぎると言われている。決算書を公開しているので、ご覧になればわかるが、創業15年で、14億円もの現金を会社に残した。もちろん、無借金会社であるし、法人税を支払って会社に残しているお金にも税金を支払ってでも残してきた。
業者や従業員の接待で使うお金は自腹を切って支払ってでも会社にお金を残してきた。車はボロボロになり動かないようになるまで乗り継いできた。社長室などなく、贅沢は一切しなかった。会社の儲けは従業員全員の総力の結果であり、彼らと共に稼いで得たお金は、会社に残して、まさかの時に備えるのが常識的な考えだと思う。
会社の儲けをガッポリ取り込んで、自分だけ良い思いをして、従業員には儲からないと叱りつけて贅沢をし、会社が赤字だから社長である自分がお金を出して支えていると豪語しているが、きっちり利息を会社から取り、現場に出ることなく、研修やセミナーと称する遊興に甘んじている社長さんは多い。
僕はセミナーに出ないし、異業種交流のイベントにも参加しない。法人会の会合にも行かないし、講演会もお断りしている。ただ、ひたすらに新教材の開発を行い、全国の教室の方と連絡を取り合い、問題を抱えた現場に出向き、分析検証して解決策を考えて、その場で実行する。仕事バカの日々を15年間繰り返してきただけだ。