会社をダメにしているのは社長
業績悪化になると、感情的に従業員を怒鳴る社長や、経営コンサルタントにすがるように相談している社長さんを見かける。経営セミナーに積極的に出かけて、受講した内容を従業員に教えているが、そんなことをしても、業績が良くなるはずがない。何一つ、業務内容に関することがなく、精神論的な事ばかりで、具体性に欠けている。
ほとんど現場に出ることなく、現場で起こっている事態を正確に把握できていない状態で「君たちにヤル気があるのか!」「君たちの能力をもっと伸ばすために、君たちの夢を書いてごらん」と言っても、社長はバカなのか?俺たちの悩みや苦しみをちっとも知ろうとしないと思われていく。
業績回復には現場に出て、現場を知り、現場で働き、現場スタッフの声を聴き、その場で問題点を把握して、解決策を誰もが納得するように提示し、先頭に立ってその策を実践して見せる以外に業績は改善しない。言葉で言ってやらせるだけでは人はついてこない。会社をダメにしているのは、現場で先頭に立って働けない社長自身なのだ。
自社商品を知らない、自社の取引先担当者(お客様)をよく知らない、商品知識がないので営業できない、お客様のことを知らないので話しかけられない、現場に飛び込む勇気もない、従業員から信頼されていない、できるのは、会社の金を私物化して社員に見せることができない金勘定の経理業務だけ。
従業員はバカばかりだとこぼしているが、バカなのは社長さんで、そのことに気が付いていない。道楽社長仲間と遊ぶことは、すべて研修という名のもとに会社の経費で支払われていく。社長さんたちの伊豆への温泉旅行も、那須塩原へのゴルフツアーも、家族を連れてのヨーロッパ旅行すらすべて会社の経費で落とす。
高級外車は会社の金で購入して自分だけが運転する。高級マンションを会社の金で購入して自分だけが住む。社員への飲食代も、社長仲間との居酒屋代金も、クラブでお酒を飲むことも、高級レストランで恋人と食事をすることも、すべて会社のお金で支払う。会社の金は自分の金とばかりに使い放題の状態を放漫経営と云う。