不動産所有のリスク
阪神淡路大震災の時も東日本大震災の時も、不動産を所有している人々の二重ローンが所有者を苦しめているニュースが流れていた。長期のローンを組んで不動産を購入したものの、その不動産が倒壊などして住めなくなり、建て替えや別の不動産を購入することで更にローンが増える事態になることを二重ローンといいます。
神戸で5,000万円近いマンションを購入した方が震災に合われて住めなくなり、住民の合意が得られず建て替えもできず、別のマンションを購入し、二重ローンに苦しんでいた。東北では、ご商売のために多額のローンを組んで戸建て住宅を購入した方が津波で流され、再起をかけて新たなローンを組んで戸建てを立て替えている方もいた。
耐震設計では、地震を単純化して強度設計するが、自然は人知の及ばない世界。揺れの周期は長くなるほど強度が求められるが、それは考慮していない。横揺れに対する免震設計を施しても、直下型地震には対応できていないこともある。ひどい設計では避難路のドアが外開きになっていないマンションさえある。
僕はこうした事例を多く見ているので、自己所有はせずに賃貸にしている。賃貸であれば、災害時には暮らせない状態になった時から賃貸契約を解除して引っ越せば済む。しかし、自己所有であれば売ることもできず、住むこともできないのにローンの返済だけは待ってくれない。